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ものづくりの原点に訪れる / 高橋工芸

小さな作業場から時代の最先端をゆく。
1965年、先代の高橋昭一氏が創業した高橋工芸は、住宅街の片隅でテーブル脚や戸棚の飾り柱など家具の部材を制作する挽物屋として始まりました。挽物とは旋盤、またはろくろと呼ばれる木工機械で材料を回転させ、刃物を当てて造形する技術のことで、古くから柱や器など円形の形を作るのに使われてきました。家具の需要の低迷から家具部材を作っていた先代は、1980年代から現在でも人気のエンジュシリーズなど食器の製作を始めます。その後息子の秀寿氏が二代目に就任する少し前から、二人のデザイナーとタッグを組み数々のヒット商品を生み出してきました。雑貨やクラフトが好きな方なら一度は目にしたことがある木のお皿やコップ。その製品開発は長い時間をかけ、試行錯誤の末完成したものばかりです。例えば紙のように薄い木のKamiグラスは、不可能と言われた薄さを一年の開発期間を掛けて可能にし、不動の人気商品として完成しました。
徹底した品質は木材の入手から始まる。
高橋工芸の製品はまず材料の確保から始まります。旭川は家具の街として栄えているお陰で家具材は豊富に揃っていますがそのほとんどが板材です。器によっては100mm以上の厚みや幅を持つ木の器を作るのには向きません。その為高橋工芸では、年に一度冬期間(11月~3月)に伐採される原木から、一年分の材料を独自に仕入れます。年に一度しか入手できないので、工場裏手のスペースに運び込まれた材料は乗用車ほどの小山が10にも20にもなる圧巻の光景となります。皮付きの原木や製材されたのまま未乾燥の材料はそれぞれの製品の大きさに切り分けられ、工場の天井裏に並べひと月ほど自然乾燥させます。その後、55℃に保たれた乾燥機に2日間、さらに電子レンジに入れ水分を限りなく0%になるまで乾燥させます。そうして徹底的に水分を抜かれた材料は、最終成形のろくろ挽きまでに木製品として最適な6~8%の水分量へ自然と戻り、歪みの出ない材料となります。こうして長い時間をかけて下準備をしながら、積み上げられた大量の材料を一年で使い切ってしまうというのですから、高橋ブランドの人気がうかがえます。
材料、道具、そして何よりも腕。
それぞれ製品の形は違えど、挽物で使われるバイトと呼ばれる刃物は基本的に3本。たった3本の刃物で様々なラインを削り出していきます。また深さのあるコップを彫り込む技術も確立させ、専用の刃物も高橋工芸独自で開発し、命とも言える器の薄さを出すために最適な厚さ・刃先に調整されているそうです。材料の下準備から道具の開発など、事前準備にはたっぷり時間がかかっていますが、製品の形をろくろで挽くのはあっという間です。例えばコロンとした形がかわいいCaraコップ。秀寿氏の手にかかるとこちらの製品は1分足らずで形が完成します。見ているととても簡単そうに見えるろくろ挽きでしたが、一般的に技術を身に付け一人前になるには最低でも3~5年掛かるそうです。それを秀寿氏は挽物師として仕事を習い始めて半年ほどで習得してしまったそうです。本人は仕事をこなさなくてはいけなかったため必然的に身に付いたと言いますが、秀寿氏にとってろくろ挽きはまさに天職だったのでしょう。
こだわり抜いたからこそ行き着いた、誰もが欲しがる形。
徹底した製品へのこだわりは仕上げ塗装でも見ることができます。一般的な木製品の塗装は下塗りと上塗りの2回、多いところでも中塗りが入って3回重ねて塗装を施しますが、高橋工芸の製品はなんと4~5回塗り。その上シリーズによって異なる材質の持ち味を最大限に活かすために、最後の仕上げ塗料を艶有り・半艶・艶なしと使い分けています。そうして様々な試行錯誤を繰り返しながら創業から半世紀が経ち、作業場は町工場のような佇まいを残したまま、デザイナーとのコラボによる木の器を展開し、年間シリーズ合計2万点を国内外120件以上の取引先へと出荷する世界の高橋工芸へと拡大しました。人気の秘密はなんといっても繊細なデザインにありますが、その影にはデザインを実現させるために繰り返された商品開発への熱意と二人の高橋氏の腕前の良さが見えてきました。
有限会社高橋工芸

挽物として新しい形を作り上げた高橋工芸。磁器やガラス製の器にはない優しい印象と木とは思えないほどの繊細な作りで人々を虜にしています。二人のデザイナーとのコラボレーションにより始まったKami・Caraシリーズや北海道の代表的な木エンジュを使用したEnjuシリーズなど、憧れる品々がたくさん揃っています。

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