樹種について

About Wood樹種について

一生愛せるものを選ぶために

木材としての使い道が比較的よく知られている樹種は100種類以上あり、その中から当店では厳選した数種類を取り扱っています。選び方は色味だけのように思えますが、大きく2つの要素があります。
一つ目は「色合いや木目、手触りといった雰囲気から選ぶこと」です。空間のベースとなる壁や床の色、部屋の雰囲気などの色を踏まえ、その空間と同じ色味で統一するか、違う色合いで対比させるかでお部屋の雰囲気が変わってきます。
二つ目は「樹種の耐久性などの性能から選ぶこと」です。硬さ、耐水性、耐摩耗性など木がどのように成長してきたかによって様々な特徴を持っています。
どんな空間にしたいのか、どういった場面でその家具を使うのかを考慮しながら樹種を選んでください。また木片サンプル請求で実際に手に取ってご確認することもできるので、ぜひご活用ください。

北海道ナラ

北海道ナラ

世界的に評価の高い高級素材
ジャパニーズオーク

北海道ナラは木肌の細かさと木目の美しさから、高級な木材としてイタリアやデンマークなど、海外に輸出されてきました。年輪の目が詰まっており上品な表情を見せてくれます。きめ細かな木肌が白く輝き、健全な良材は非常に少なく希少価値が高い木材の一つです。

Spec

おもな産地:日本
色調:灰褐色
材質:硬い

経年変化

北海道ナラの経年変化

Before → After

特徴の一つに挙げられるのが、独特な模様の「斑(ふ)」が入ることです。柾目面にあらわれる「虎斑(とらふ)」と呼ばれる模様は、虎の毛の模様に似ていることから付けられました。美しい柄として珍重されています。
中でも北海道産のミズナラは独特な香りが魅力で、国産ウイスキーのメーカーが世界で初めてミズナラの酒樽を作り、高評価を得たのが有名です。また近年では資源の枯渇で流通量が減り、高値で取引されています。湿気の多い日本の土地で育った木のため、家具として生まれ変わっても狂いが少ないのも利点です。

オーク

オーク

家具や建材として
世界中で愛される樹種の一つ

オークは日本ではナラとも呼ばれますが、北海道ナラと比べると木目が少し細かい傾向が見られます。木材全体の色もやや白く見えます。他の木材に比べ耐久性が高く、タンニンという虫が嫌う成分が含まれているため害虫をつきにくくする効果も期待できる材です。

Spec

おもな産地:中国、ロシア
色調:淡黄褐色
材質:硬い

経年変化

オークの経年変化

Before → After

メリハリのある独特の木目を活かし、高級家具に活用されることが多々あります。オーク材を使用したアンティーク家具の中には、まだまだ現役で使用できるものも。ダイニングテーブルの天板やチェストの前板など、人目に触れることが多い箇所に使用すると重厚感のある雰囲気を醸し出してくれます。
また北海道ナラと同様に虎斑があらわれ、独特な木目が楽しめます。年輪が詰まっているため重厚で強靭ですが、その分重量も増えます。

レッドオーク

レッドオーク

淡く赤みがかった色味が
優しい雰囲気を醸し出す

北海道ナラやオークと同じブナ科コナラ属の樹種ですが、少し赤みがかった色味が特徴です。力強くい木目とナチュラルな色味が魅力で、日本各地の家具産地で多く使用されています。和洋のどのテイストのお部屋にも合います。

Spec

おもな産地:アメリカ
色調:紅褐色
材質:硬い

経年変化

レッドオークの経年変化

Before → After

重厚な木質感と趣深い味わいがあり、やや赤みを帯びているためインテリアのアクセントになります。耐久性と耐水性を持ち、大型家具やフローリングなど様々な用途に使用されています。まれに虎斑模様が現れることがある素材です。
曲げに強く、飛騨家具で多く用いる曲木と呼ばれる技法にも優れています。木目がはっきりしているためカラー塗装を施しても木の質感が損なわれにくいです。

ウォールナット

ウォールナット

世界三大銘木と呼ばれる
重厚感溢れる高級木材

独特の風合いや墨流しと呼ばれる木肌の美しさなどから、世界屈指の銘木に数えられるブラックウォールナット。落ち着いた色合いと美しい木目が、重厚さと独特の気品を醸し出し、クラシカルやモダンな雰囲気のインテリアに調和します。その実は「クルミ」と呼ばれ、私たちの生活に馴染みの深い木です。
厳しい寒さのもとで時間をかけて生長するため、硬く粘りのある材質を持つ一方、軽量で扱いやすく加工性や塗装性にも優れています。また加工後の狂いが少ないため、ライフルの銃床や楽器に使われています。辺材は灰白色。心材は濃い茶色のほか、時に黒紫色や赤紫色などが見られることも。辺材から心材にかけての様々な色がグラデーションを描き、美しい模様の表情を形成します。

Spec

おもな産地:アメリカ、カナダ
色調:濃い茶色
材質:やや硬い

経年変化

ウォールナットの経年変化

Before → After

チーク、マホガニーと並んで世界三大銘木の一つとして最高ランクの評価を得ているこの木材は、「家具材のロールスロイス」とも呼ばれ、チェアやテーブル、キャビネットといった家具や高級車のウッドパネルなどに使われ、人々の憧れの的となっています。枝木の分かれ目の部位を「クロッチウォールナット」といい、模様が美しく採れる量も少ないためさらに高値で取引されます。

メープル

メープル

上品な淡い色味の木肌は
木の真珠と呼ばれる奇跡の木材

透き通るような白さと艶やかな光沢が、どのような空間にも自然に溶け込むメープル。美しくきめ細かなその木肌は、滑らかで心地よい手触りを楽しませてくれます。五大湖周辺に広く分布しており、カナダの国旗にその葉が描かれていることでも有名です。日本原産のイタヤカエデも性質的にはメープルに近いと言えます。
雪の重みに耐えて生長した北米産のメープルは衝撃や摩擦に強く、ダンスホールのフロア、ボウリング場のピンなどに使われています。また、緻密な木理に見られる絹糸のような光沢は、清潔感と透明感に溢れています。

Spec

おもな産地:アメリカ、カナダ
色調:明るい乳白色
材質:非常に硬い

経年変化

メープルの経年変化

Before → After

木材としての卓越した性質に加えて、「木の真珠」と讃えられるほどの上品な木肌は、どんな空間にも自然に溶け込みます。また、水分を多く含むメープルは、乾燥に手間と時間をかけなければならず、扱いには細心の注意が必要です。ごく稀に「バーズアイ」と呼ばれる鳥の目のような斑紋が木目の中に表れることもあり、非常に稀少価値の高い材として、通常の20~50倍という価格で取り引きされます。まさに、世界の銘木にも匹敵する、北の大地が育んだ奇跡の木材です。

チェリー

チェリー

時を重ねるごとに
表情を変える華やかな樹種

主張しすぎることなく、どんな空間にも美しく調和するチェリー。使い込むほどに光沢を放ち、くつろぎの空間に華やかさと温もりをプラスします。北米大陸には約30種のサクラ類があり、その中でも絶大な人気で最高の木材のひとつとして数えられるのが、アメリカンブラックチェリーです。この種は日本のヤマザクラなどと同じくバラ科に属しています。木片は燻製の時にチップとして使うと、まろやかな味に仕上げることができます。また日本のサクランボより黒みの強い「アメリカンチェリー」が実ります。

Spec

おもな産地:アメリカ
色調:赤褐色
材質:やや硬い

経年変化

チェリーの経年変化

Before → After

経年変化により劇的に変色しやすい木肌の色が特徴。淡い薄桃色が飴色風の濃い赤褐色になり、無垢材ならではの特性を実感することができます。材面は緻密で滑らかな木肌、磨くだけで美しい光沢が増し、水に強く耐久性にも優れています。
また生長の過程や気候の変化で起こる、「さざなみ紋(リップルマーク)」と呼ばれる独特の紋様が表れることもあり、美しい表情が多くの人を魅了しています。樹液を多く含んでいるため、生命力の強い木ほど黒い斑点「ガムポケット」が見られるのも特徴です。生き様を木目に残すことで、チェリー独特の存在感を強調し、時を重ねじっくりと楽しむことができる木材として、世界的に高い人気を集めています。

北海道タモ

北海道タモ

北海道の自然の雄大さを感じられる
ダイナミックな木目が魅力

凛とした立ち姿で空間を引き締める北海道タモ。ダイニングに根を生やしたかのような堂々とした佇まいが、確固たる存在感を示しています。どこか神秘的な力さえ感じさせる独特の木肌は、自然に触れる喜びや安心感をも与えてくれます。
広葉樹の中でも非常に大きく生長し、最大クラスのものでは高さ300cm、幹の太さは直径80~100cmにもなります。木目は、心材部分のかなり深いところまで美しく流れているため、均質な板材を取ることができます。また、広葉樹の中ではまっすぐに生長し、木を無駄なく使うことができるのも魅力的です。

Spec

おもな産地:日本
色調:淡い灰褐色
材質:硬い

経年変化

北海道タモの経年変化

Before → After

北海道タモは木理や木味の良さから最高級材として、世界から評価されています。木目が均一で年輪の幅が広く、ダイナミックな模様が楽しめます。全ての広葉樹の中でも際立った存在感を誇る北海道タモは「白木の女王」とも讃えられ、材となってもその神秘的な美しさは変わりません。
北海道旭川駅の構内には、北海道産のタモで壁面を装飾し、あたたかみのある空間にデザインされています。

アッシュ

アッシュ

淡い色味の木目が
ナチュラルな空間を演出する

オーク材と共に人気の高いアッシュ材。木目の美しさに加え、心材と辺材では明確に色味が分かれているのも、この樹種の大きな特徴です。色調はオークとよく似ていますが、はっきりとした力強い木目を持つため、優しい雰囲気の中にも、凛とした表情を持つ家具に仕上げることができます。ナチュラルで淡い色と場所より色の深さが異なる木目の美しさが、家具材として人気を博しています。

Spec

おもな産地:日本
色調:淡い灰褐色
材質:硬い

経年変化

アッシュの経年変化

Before → After

力を加えても折れずに「たわむ」木の性質から、アッシュは強さとしなやかさを兼ね備えており、加工性にも優れています。そのため、家具だけではなく、建築物や楽器、あるいは野球のバットやホッケーのスティックのような運動器具などにも、幅広く使われています。ナチュラルなテイストや北欧デザインに合う樹種です。