飛騨の家具フェスティバル2022

Hida Furniture Festival 2022飛騨の家具フェスティバル2022

3年ぶりにメイン会場での開催

新型コロナウイルスが蔓延して以降、ようやく3年ぶりにメイン会場である「飛騨・世界生活文化センター」での開催が実現しました。コラムクVol.20では飛騨の家具フェスティバルの様子をご紹介いたします。

飛騨の家具フェスティバル2022飛騨の家具フェスティバル2022

「飛騨の家具フェスティバル」は飛騨地方の優れた技術によって製作された商品を、全国の家具専門店やハウスメーカー、一般消費者の方々に知ってもらうための展示会。このイベントはより多くの方々に広く飛騨の家具メーカーを知ってもらうきっかけとなります。また飛騨市市長、高山市市長、飛騨木工連合会・代表理事の白川氏によるトークショーや、「匠・DNA展」「飛騨の工房家具新作展」など様々な企画、イベントが盛りだくさんとなっていました。

飛騨の家具フェスティバル2022

森に生かされ森を活かす

飛騨デザイン憲章の第一条にある「自然との共生」が今回のメインテーマとなっています。自然との調和を重視しながら将来にわたって継続可能な製品作りを追求する、という意味です。今回行われたトークショーの中で白川氏は次のように語っていました。
「日本の家具を世界に売っていきたいと取り組んでいった中でお客様から『なぜ、デザインも品質もいいのに材料がアメリカ産?』『日本は森林資源が豊富なのになぜそれが使えない?』そう言われました。そしてなぜアメリカ材を使っているのかと言いますとそれは今から約40年前に遡ります。その当時、国産材の供給が難しくなっていった中で安定供給を求めて我々は出ていった。それにより地域の林業が衰退してしまった。高山市内で当時30社以上あった会社も現在は2社まで減ってしまった。そういった事実もあり、地元の材料を使ってしっかりと市場にもっていきたい。」
飛騨高山では数多くの木工メーカーが存在します。今後日本の大事な「森林資源」を活かすことによって飛騨市、高山市が手を取り合って地域を盛り上げていってくれることが期待されます。

飛騨の家具フェスティバル2022

飛騨の匠がその技を競い合う

「匠・DNA展」という展示会が開催されました。岐阜県木工デザイン協会に所属する個人や企業の従業員が、独自のアイデアで創作した製品を競うコンペ形式のデザイン展示会を行っています。「自然との共生」をテーマに自由な発想で創造した作品達がずらりと並んでいました。一つ一つ細かく見ていっても隙の無い職人の技や面白いアイデアが詰まったデザイン性の高い家具、クラフト製品が多種多様にありどの作品も独創性や創造性に優れたものばかりで飛騨の職人たちのレベルの高さがうかがえます。

飛騨の家具フェスティバル2022

職人たちによるアートの神髄

「飛騨高山つくり手の会」は、会員の職人たちが「自然との共生」をテーマに新作に挑戦した作品が展示されていました。こちらでは家具をはじめ木彫りや陶磁器、ガラス製品など様々なジャンルの作品が並んでおり、まるで芸術品のような美しい作品ばかりでした。目の前の美術工芸品からは全く新しい刺激と職人たちの思いが伝わってきます。こちらの展示会もとても見ごたえがあり、工芸品への新たな興味や関心を抱くきっかけとなりました。

飛騨の家具フェスティバル2022

木と触れ合う楽しさを実感できる

「岐阜県立木工芸術スクールによるワークショップ」という体験コーナーがありました。こちらでは「千鳥格子のなべしき」作りの体験ができます。すでに加工済みの木材を鉋で削って厚みを整えた後、組み立てを行います。MUKU工房スタッフも体験しました。木の流れがあり、それに沿って鉋をかけていくのですが正しい方向を見極めたり、力加減などが簡単そうに見えて意外と難しく貴重な経験となりました。

飛騨の家具フェスティバル2022飛騨の家具フェスティバル2022
飛騨の家具フェスティバル2022

意思があるところに道は開ける

同時に「CRAFT 361」というイベントも開催しておりました。「361」というのは国道361号線からきており、特にこの通りにはクラフト工房が多く集まっていることがその由来。このイベントでは、飛騨の職人たちの技を見て、触れて、購入もできるイベントとなっています。家具、民芸品、新しいデザインを取り入れた創作品など多種多様な木工製品を見ることができます。